2003年10月18日(土) 

 日本は、65歳の年寄りが14%を越える超高齢化社会に突入し、公的年金制度、健康保険制度の崩壊はもはや時間の問題です。
 その事態に陥った原因はいうまでもなく「少子化」です。政府は少子化を食い止めるために、子育て支援金を交付してみるなど、先進国の例をまねた対策を打ち出していますが、少子化はそんな手ぬるい方法で食い止められるほど甘いものではありません。

 私は、優生保護法(母体保護法の方がわかりやすいですね)で認められている妊娠中絶を制限して、できるだけ赤ちゃんを産ませることが必要だと思います。特に経済的理由での中絶を全面禁止にする一方、親には生まれたての子供を「捨て子」する権利を認め、その場合、「国の子」として、国家が親権をもち、成人まで面倒を見ればよいと思います。

 これが、あまりにも突拍子もない話で実現不能というのであれば、現行法と慣習の範囲内でできる方法として、次のやりかたがあります。

 つまり、望まれずに生まれてくる子供を組織的に引き取り、養子にする団体があればよいのです。あるキリスト教の神父ご夫婦が日本で10人ほどの子供を養子にして育てているという話をテレビで見ました。では日本の少子化対策としてもっとそれを組織的に行えば良いのです。

 妊娠したけれども、経済的理由で子供を生みたくない。あるいは妊娠は強姦によるもので出産を望まない。または妊娠したけれども今は子供を持ちたくないなどという女性は、事前にその団体に連絡をし、子供が生まれたら必ず引き取ってもらうという誓約を得て、出産すればよいのです。その団体がそんな子供を100人でも1000人でも引き取ってくれるなら、あるいはそんな団体がたくさんあれば、母親は生みっぱなしていいわけです。もちろん国や社会はその子育てに対する補助をすべきです。
 中絶で子を殺すよりも生まれてきた子供の親の義務を、別の誰かが肩代わりすればよい。日本は、胎児の扱いをそのように考えられる社会にすべきだと思うのです。

 私は日本にいれば、そんな運動をしたい。あるいはフィリピンに居てそれができるなら、私はそんな子供があった場合、日本に引取りに行ってフィリピンに連れ帰り育てたいと思う。そんな子供を100人でも1000人でも養子にして育てたい。子供は20才になればフィリピン国籍と日本国籍どちらでも選べるし、二重国籍にすることも可能です。日本としては、彼らが戻ってくれば少子化対策という国策にもかなうことであり、戻らずとも日本国ゆかりの子がフィリピンに増えることは望ましいはずです。何よりも赤ちゃんを中絶の名のもとに殺さなくても良い。

 この提案の真の意図はそこにあります。

 マザーテレサが、日本で病院を訪ね、掻爬された赤子を捨てたトレイを抱いて祈ったというお話がありました。これは胎児の命を奪う中絶を非難するものです。

     西本神父の講演 http://www.asahi.ph/jbcp/june-02koenkai.htm

 現在日本の超高齢化社会とそれに伴う年金制度等、諸社会制度崩壊の理由を、政治の無策であるとして非難する方があるのですが、私はそうは思いません。根本原因はたくさんの子供を望まない現代の若者にあるのであり、それ以上に「中絶堕胎」を日常的に行って平気な日本民族の性向にあると思います。人格の宿る前の胎児であればそれを殺してもかまわないとする日本人の人道に対する考え方に発するのです。

 私の友人によると「こけし」とは「子消し」のことだそうで、古代から連綿と続いてきた日本の中絶の歴史を思うとぞっとします。

 現代日本の無理難題。少子化による諸制度崩壊は「消された子らの復讐」であり、彼らの警鐘でもありましょう。日本は中絶を善しとする制度を一日も早く改めないと国家そのものが崩壊すると思います。

 ところで、私ども夫婦にかわいい日本の子供をいただけませんか。何人でも構いません。フィリピンは教育費がとても安く、かつ私立校における小中等教育では日本よりはるかにレベルも高いのです。また、日本の都会では今や難しくなった情操教育ができます。彼らは必ずや日本とフィリピンの掛け橋になると思います。
 
 フィリピンなら、幼い記憶に「兎追いし彼の山、小鮒釣りし彼の川」の残る立派な大人に育てることができます。