本格的な乾季の夏を迎えた昨日、義理の弟の結婚式に私は日本人の友人二人とともに花婿のグッドメン(付き添い?)の一人として参列した。
 婚期を逸した妹ひとりを除けば既婚者ばかりの妻らにとって、もしかすると兄弟姉妹では最後かというこの結婚式に、妻や妹連中には式のドレスを作ったり、予行演習に出席したりとおおわらわの日々が続いていた。
 フィリピンの結婚式は沖縄同様、親族一同が再会するよい機会でもある。その席で従兄弟や甥姪の成長を確かめ、次は誰の結婚式かを見定めることとなる。
 私もお気に入りの美人従兄弟が来年9月に予定しているという結婚式のメーンスポンサーの一人に名乗りを上げ、披露宴会場では振舞われないビールもちゃっかり外で購入して日本人3名で飲み乾し、めでたい一日が過ぎていった。
 私の兄弟姉妹は4人で日本では多い方だが、妻の方はさらに多い6人で実に賑やかである。近年の日本では結婚は新婚夫婦二人のものになってしまったが、家族親族を巻き込んだこのような結婚式も悪くない。披露宴でたくさんの証人のもとで夫婦の誓いを交わせば、多少の夫婦喧嘩をしても離婚に発展しにくいだろうとも思う。
 日本では少子化により多くの社会制度が崩壊しつつあるが、同時に美しい社会慣習も失われつつあることに一抹の淋しさを憶えるのは私だけではあるまい。