自分ながら今年は年頭からよく仕事をしていると思います。毎朝、起床して出勤の支度を整える間、今日の仕事をどうするか考えることはとても楽しいことです。仕事が順調に流れると他のことを考える余裕も出てきます。

 アジアゴルフアカデミーは問題もありましたが何とか一ヶ月で収束し、従来以上の体制を作り出すことができました。6年前に私たちで創設した日比ビジネスクラブにも今年、新企画を携えた中興の祖が現われ、出直しを図ることができました。そして今、昨年末から始めたベイカリーの最初の建て直しに取り組んでいます。

 ゴルフアカデミーに関して、友人から「本業に関連性のない分野への事業展開はしないほうが良い」と忠告されました。たいへんありがたいことです。このような友人こそ自分の心の支えであり、大切な存在です。

 実のところ、私は新事業を展開するにあたって、本業の不動産仲介業との関連性は一切、考慮せず、自ら行動規範として定めた我が綱領を判断の指針としています。

 例えば、ベイカリーを始めたのは、私の綱領にある一項、「人間の尊厳を取り戻すため、求めるすべての人々に労働を与え、収入を与える。」ことにささやかな貢献をしたかったからであり、「フィリピン一安いパンを貧困層にも毎日提供することによって、フィリピン人の可処分所得に占める食費の割合を削減する一助となりたい」と考えたからです。

 もうひとつ新事業展開の基準としているのは、「我々在外邦人が生活するにあたって必要なもの」であり、それに関連のある事業はとりあえず手掛けようと考えています。日本という国はある程度基本的な事業はすべてやりつくしているかの感がありますが、フィリピンでは在外邦人が快適な生活を送るにあたって、まだまだ足りないものだらけです。

 一例がゴルフアカデミーです。ゴルフ学校を開校したいという人物が現われたとき、私が協力を申し出たのは、フィリピン駐在員の最大の娯楽がゴルフであるのに、ゴルフ学校がない、そのために皆が貴重な時間とお金を浪費しているのは邦人にとって損失であるという結論に至ったからです。c3edc609.jpg


 「21世紀も専門家の時代である」、つまり「今世紀もまた専門を極めた個人と集団のみが社会的に高い地位を維持しうる時代である」と私は叫んだのですが、今世紀の企業人に求められるのはそれだけではありません。従来、企業は単に利潤を追求するだけの存在で良かったのが、これからは環境や他の動植物(生命体)と共存するための配慮をし、そのためには時として利潤への欲望を抑えたり、捨てたりすることが求められるようになったのです。

 環境への配慮を欠く企業、利潤追求のみを旨とする企業が、社会的に高い地位を維持できない、それが21世紀の特徴だと思います。従って、自分も事業を行ううえで常にそのことをかみしめています。