就寝中にみる夢と将来の夢というときの二つの夢は明らかに異なるものだ。その異なるものを日本語でも英語でも「夢」、「Dream」という一語で使い分けていることに私は非常に違和感を感じる。

先日、朝起きたら、妻が不機嫌そうだ。なんでも私が前妻と浮気をしている夢を見たとかで、拳を上げて私を睨んでいる。
「あのね、あなたの夢はあなたの脳が勝手に「創造」したもので、俺には無関係だ」
と言い捨てた。でもフィリピン人妻の目は明らかに
「もし、正夢じゃなかったら、何で私がそんな夢を見るの?」
と言っている。
「そんなことお前の頭に聞いてみろ」
と言いたくなるが、確かにフィリピン人は、夢と現(うつつ)を同一視する傾向がある。要するに妻は「自分の見た夢」を「私の夢」つまり、「私の希望」なのだと勘違いしているのだ。

このように、妻とのいらぬ軋轢を避けるためにも「就寝中の夢」と「希望を表す夢」とは日本語でも英語でも異なる語をあてて区別すべきだと強く主張したい。