本日付のマニラ新聞の記事見出しである。

 MJSとはタギッグ市フォートボニファッショー、グローバルシティにあるマニラ日本人学校のことである。

 日本人学校は小学部と中学部に分かれ、今回の卒業生は小学部53人と中学部12人であるという。この卒業生を含めて在籍児童生徒数は377人。前年4月の400名より少ない。

 日本人学校は日本大使館に所属し、マニラ日本人会が運営する。赴任する教諭の給与・住居手当は日本政府が負担し、それ以外全ての経費をマニラ日本人会が負担している。

 日本人学校が赤字にならないための損益分岐点にある児童生徒数は500人といわれ、数年前から既にその数を大幅に下回っている。

 さて日本人学校はいずれは日本に帰国する日本人駐在員の子供たちへの教育が大目的であり、フィリピン永住者で「帰国」しない子供の教育は主目的ではない。フィリピンに暮らす日比混血児が増えても、そのまま日本人学校の児童生徒数増加に繋がらないのはそのためである。

 さらに高等部がないため、中学部になると高校受験の準備のため、親は生徒を先に帰国させる傾向が強く、そのため中等部の生徒数は小学部に比べ少ないのは例年のことである。

 日系企業にとって、駐在員の家族を帯同で赴任させると非常なコスト高である。そのため近年では、独身者や妻帯者の単身赴任を奨励しているとのことである。

 日本人学校も赤字が続けば入学金、学費の値上げをせざるを得ず、それでも賄えない分を日本人会の会費値上げで補うことになる。
 
 しかし、学費や会費の値上げは、さらなる帯同家族数と日本人会会員数の減少という悪循環を招くことから自ずと限界があり、この世界大不況で日本人学校の経営もまた岐路に立たされている。