2007年02月

177 仕事

 自分ながら今年は年頭からよく仕事をしていると思います。毎朝、起床して出勤の支度を整える間、今日の仕事をどうするか考えることはとても楽しいことです。仕事が順調に流れると他のことを考える余裕も出てきます。

 アジアゴルフアカデミーは問題もありましたが何とか一ヶ月で収束し、従来以上の体制を作り出すことができました。6年前に私たちで創設した日比ビジネスクラブにも今年、新企画を携えた中興の祖が現われ、出直しを図ることができました。そして今、昨年末から始めたベイカリーの最初の建て直しに取り組んでいます。

 ゴルフアカデミーに関して、友人から「本業に関連性のない分野への事業展開はしないほうが良い」と忠告されました。たいへんありがたいことです。このような友人こそ自分の心の支えであり、大切な存在です。

 実のところ、私は新事業を展開するにあたって、本業の不動産仲介業との関連性は一切、考慮せず、自ら行動規範として定めた我が綱領を判断の指針としています。

 例えば、ベイカリーを始めたのは、私の綱領にある一項、「人間の尊厳を取り戻すため、求めるすべての人々に労働を与え、収入を与える。」ことにささやかな貢献をしたかったからであり、「フィリピン一安いパンを貧困層にも毎日提供することによって、フィリピン人の可処分所得に占める食費の割合を削減する一助となりたい」と考えたからです。

 もうひとつ新事業展開の基準としているのは、「我々在外邦人が生活するにあたって必要なもの」であり、それに関連のある事業はとりあえず手掛けようと考えています。日本という国はある程度基本的な事業はすべてやりつくしているかの感がありますが、フィリピンでは在外邦人が快適な生活を送るにあたって、まだまだ足りないものだらけです。

 一例がゴルフアカデミーです。ゴルフ学校を開校したいという人物が現われたとき、私が協力を申し出たのは、フィリピン駐在員の最大の娯楽がゴルフであるのに、ゴルフ学校がない、そのために皆が貴重な時間とお金を浪費しているのは邦人にとって損失であるという結論に至ったからです。c3edc609.jpg


 「21世紀も専門家の時代である」、つまり「今世紀もまた専門を極めた個人と集団のみが社会的に高い地位を維持しうる時代である」と私は叫んだのですが、今世紀の企業人に求められるのはそれだけではありません。従来、企業は単に利潤を追求するだけの存在で良かったのが、これからは環境や他の動植物(生命体)と共存するための配慮をし、そのためには時として利潤への欲望を抑えたり、捨てたりすることが求められるようになったのです。

 環境への配慮を欠く企業、利潤追求のみを旨とする企業が、社会的に高い地位を維持できない、それが21世紀の特徴だと思います。従って、自分も事業を行ううえで常にそのことをかみしめています。

178 業者であることの誇り

 「マニラの風」も今年6年目を迎えました。今日退職後フィリピンで暮らしたいという方からお電話があって、「マニラの『嵐』を読んで、フィリピンに住むならぜひあなたに頼もうと常々思っていた」とおっしゃるので、私はとても嬉しくなり、私を理解してくれるまだ見ぬこの方のために何でもしてあげたいという気になりました。

 私は不動産の仲介にしても、退職者ビザの取次にしても、また会社の設立代行にしても「業者である」ことの強い自覚と誇りを持っています。

 一方、フィリピンで退職者ビザを取られて永住し、「自分は業者ではありません。先人としてあなたのフィリピン居住を手助けします」という顔でブログを書き、実は民宿など経営し、尋ねてきた日本人から宿泊費、車代、人件費などをとっている方が何人もいらっしゃいます。

 先日そういう民宿経営者から「あんたは業者だから」と侮蔑の言葉を投げかけられ、強い憤りを感じました。そういう方に限って(1)仕事は生半可、(2)英語はそぞろ、(3)契約書は理解不能、(4)現地法規にまるで無知・無関心。結果、(4)自分のしている民宿の違法行為も知らずに営業しています。その方も絵に描いたようなその範疇の方でした。
 
 民宿を経営したり、サービスを提供して口銭を得ている人は全て業者です。そして許認可を得ずに営業をしている上記のような人物を日本語で「モグリの業者」と呼んでいます。

 私はブログという言葉がない時代からこのコラムを書き続けていますが、現在はこの手の手記がフィリピンにも氾濫していて、読者にとっては素人と玄人の違いや人間としての真贋(しんがん)を見分けるのが難しい時代です。

 私は業者です。そして私は業者としての誇りを持っています。私は業者のライセンスを賭けて、顧客に正確な情報を提供し、請け負った仕事を強い責任感をもって遂行しているつもりです。私はモグリの業者を排除しようという心の狭さはありませんが、お客様の側も「業者」と「モグリの業者」との区別を明確にもってもらいたいと切望するものです。

 私はフィリピンに移住してこられた壮年・老齢の日本人が民宿を経営していることに大賛成です。外国に生活してると、日本人に会いたい、日本人に会って日本語を話し、日本の最新情報を得たいと思うのは在外邦人に共通の感情だからです。でもそういう彼らが無知・無責任に現地不動産を仲介してみたり、先日の方のように自身が経営する民宿を無許可で会員権化しようとしてみたりという姿には唖然とします。そういう方がおられるから不動産にまつわる事故事件が起こるのだし、そういう方から侮辱されるとさすがの私も血がアタマにのぼってしまいます。

 それからお客の中には「お客様は神様だ」と信じて対価以上のサービスを要求される方もときどきおられます。私はホテルマンほど客あしらいがうまくないのでときどき怒鳴ってしまうのですが、壮年の方や老齢の方にもそういう非常識な方が多いのには閉口してしまいます。「日本の常識、世界の非常識」という言葉もありますが、彼らの平衡感覚・公平感のなさは一体どこで育まれたものなのかいぶかしく思います。

 とにかくこのような発展途上国では非常識を慎みましょう。自分の行動に対して注意や反発を招いたときには、その言葉に静かに耳を傾けましょう。そうでないと快適な「楽園生活」が「刃傷事件」に発展しかねません。くれぐれも外国で他人のひさしを借りて生活をしているのだという自覚をお忘れにならないように。
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