「人生を二度楽しむチャンス!団塊世代の楽園・・・フィリピン。日本から飛行機で4時間。
 私は昭和7年生まれで戦中戦後は勤労動員とひどい食料難の時代に育ちました。少年倶楽部連載の漫画本、冒険ダン吉君は南洋の島に船で漂い着き、知恵者のダン吉は島民のボスになり文明を広めて尊敬を集めました。私はこの本の影響を受けました。この少年時代から、庭にバナナを実らせ食べるのが(夢)でした。1990年にフィリピンに渡りこの夢を実現しました。今では庭にバナナ、パパイヤ、ジヤックフルーツなどが実ります。この世にも楽園があると感じました。皆さんに呼びかけの始まりです。冬がない暮らしはとても健康的です。現地の人々も笑顔が明るい人達です。メイド、介護など日本人を助ける人達も待っています。余生は、ストレスのない.のほほん.生活をされて、ご自分の人生を大切にする 仕事や競争社会を忘れてのんびり暮らす。そのご案内のホームページです。(冒険ダン吉倶楽部ホームページから)
 少々長い引用となってしまったがこの前書きで始まる竹内司氏のホームページが2007年7月31日をもって閉鎖する。理由は数ヶ月前の氏の突然のご逝去であり、氏のご遺族が、フィリピン体験ステイの草分け、かつ、大御所的存在であった氏の後継者を立てることをよしとしなかったためである。かくして、メルマガでも2000人近くを集めたという冒険ダン吉倶楽部はネットから姿を消すことになる。

 故竹内氏の仰るとおり、今、フィリピンは日本人「団塊世代の楽園」といえそうである。日本に比べて物価や人件費の安いフィリピンでは、頂いた退職金や貯めこんできた預貯金により、メード付、運転手付のそれなりの文化的生活が送れるはずである。

 しかし、近年におけるフィリピンのペソ高と低い定期預金利子(といっても日本とは比べものにならないが)により、この「楽園暮らし」に暗雲が垂れこめはじめた。

 さらに団塊の世代を不安にさせているのが年金問題。5000万件にのぼる保険料記録漏れ以上に深刻な問題は実はジワジワと下がり続ける老齢年金支給額である。

 私の顧客の話だが、彼が払い続けてきた厚生年金保険料28年分、国民年金保険料12年分、計40年分の保険料の見返りとして受け取れるはずの年金、つまり数年後に迫った年金の支給予定額を聞いて唖然としたという。無理もない。社会保険庁が彼に告げたのは月額わずか5万円。彼はこれではようやく手に入れた持ち家の固定資産税も払えないと途方に暮れている。

 「嘘だと思うなら社会保険庁で聞いてみなさい。みんな仰天するから」

 日本で最低の文化的水準の生活を送るのに必要と定められた生活保護費が田舎でも月額約12万円。5万円とはその半分にも満たない額である。だからといって生活保護を受けるにはせっかく建てたマイホームや預貯金の全てを手放さなくてはならず、それはできない。

 生活費、月額5万円・・・・。

 私の会社楽園生活サービス社が推進するマカティ市での生活モデルでは、持ち家さえあれば、夫婦二人で月額10万円で毎日一回、外食をしても十分老後の生活をそれなりに満喫できるというものだった。それがそれが月額5万円ではかなり切り詰めても生活困難である。当然、車の維持費など捻出できるはずもなく、マカティより物価の安い田舎へさらなる仙人的隠居を決め込もうにも、やはり車なし生活を送るのは心細い。

 かくして、10万円以下の年金しか受給できない日本人は、老後、母国、欧米、オーストラリア、フィンランドはもとより、フィリピンすらおぼつかず、さらに物価水準の低いバングラディッシュやアフリカを目指さなくてはならない。

 少子化に歯止めのかからない日本では、大規模な移民受入政策でも実施せぬ限り、将来は1人の若者が2人の老人の生活の面倒を見るという時代も到来する。1120兆円という人類史上例をみない財政赤字を抱える政府に崩壊直前の年金制度を支える余力などあろうはずもない。支給年金は減額の一途をたどることは火を見るより明らかであり、一体、老人はどこに終の棲家を求めよというのだ。

  私は日本の政治家に問いたい。「自国で老後を過ごすことのできない国」、「発展途上国でも生活できないほどわずかな年金しか支給できない国」は果たして良い国といえるのだろうか。