報道では「退職後を海外で」という日本人が増加しているという。当社では関連会社『日本退職者協会』で特別退職者居住ビザ(SRRV、永住ビザの一種)を扱っているのだが、確かに週に一件は、その問い合わせを受ける。最近では定年退職を数年後に控えて海外移住の情報収集をされている方が多い。フィリピンに数年間駐在された方で、この国に惚れ込んで永住を真剣にお考えという方からの問い合わせも少なくない。ほとんど仕事に明け暮れた半生を経、定年後はいろいろな意味でこれまでと違った豊かな生活を、と第2の人生に夢を馳せる。宮仕え中にはできなかった語学教室、社交ダンス、ボランティア活動。定年後の夢は人それぞれである。だが、日本の物価と社会構造のなかでは、実現し難い。そこで、諸物価、人件費が安いうえに、日本に程近く、永住ビザが容易に取得可能なフィリピンに、皆さんの人気が集まりつつある。

 さて、3年前に私を通して退職者ビザを取得されたSさんというご夫婦がいらっしゃる。ご夫婦は当社の仲介で購入されたカビテ州のプール付一戸建(土地は50年間の定期借地権)にお住まいになって、至近5ヶ所からのカントリークラブで文字通りゴルフ三昧の日々をお過ごしであった。翌年、そのSさんから電話があり、好きなゴルフや田舎暮らしもいよいよ飽きたので、居宅を売却し、今度は都心に住みたいとおっしゃる。そこで私はSさんの田舎のご自宅を別の日本人へ売却し、マカティ市中心街の小奇麗なマンション購入を仲介して差し上げた。

 現在では一転して毎日、マカティ中のレストランの食べ歩きをお楽しみである。時々息子さんご夫婦も訪比される。Sさんご夫婦によると割と贅沢に生活していてもペソと米ドル預金利息を遣い切れなくて、残金を半年に一度の帰国渡航費に充てているとのこと。年金には一切手をつけず貯金は積もるばかりとのことで、誠に羨ましい限りである。特に日本が寒い今のような時期には温かいフィリピンが一番、とご夫婦でにっこり。Sさんは、ゼロ金利の日本では到底成り立たない老後の必勝パターン(完全設計)をフィリピンに見出したのである。
 あなたも一度『ニッポン脱出計画』を練ってみてはいかがでしょうか。