ドイツの有力紙「ウェルト」の7月14日の社説「男子は女子に学べ」は興味深い。
そのなかで、ドイツ社会では製造業よりもサービス業が多くなり、サービス業には女性の方が向いているのもその要因のひとつだという。
日本に置き換えてみると、男子の「草食系化」はサービス業の比重が圧倒的に高い近年日本社会のニーズに適っているからと云えるわけだ。
結論すると、肉食系男子より「創造力とコミュニケーション力に優れ、行動に柔軟性のある」女性に類似する草食系男子の方が進化した形態だということで、ちょっと複雑な気持ち。
そのなかで、ドイツ社会では製造業よりもサービス業が多くなり、サービス業には女性の方が向いているのもその要因のひとつだという。
日本に置き換えてみると、男子の「草食系化」はサービス業の比重が圧倒的に高い近年日本社会のニーズに適っているからと云えるわけだ。
結論すると、肉食系男子より「創造力とコミュニケーション力に優れ、行動に柔軟性のある」女性に類似する草食系男子の方が進化した形態だということで、ちょっと複雑な気持ち。
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男子は女子に学べ
2日の本紙に、男子の学校での成績が女子に追い抜かれた、との記事が出た。根本的な原因として、学校が女性に握られていることが挙げられた。確かに、2010年の集計では、教師は2対1の割で女性が多い。このため、「女子に比べ、男子の扱いが悪い」と記事を書いた記者(女性...)は言うが、筆者(男性)の場合は、男性の教師が多い学校で学んだのに、女子の成績の方が良かった。
思春期にある11~15歳の男子は授業で、女子よりも我慢ができにくい面がある。女子の方が肉体的、精神的に男子よりも見たところ、変化にうまく適応している。男子は反抗的で、教師にも同級生にも不必要なほど歯向かっている。その結果、学校をおざなりにする。
男子は、宿題はサボり、言葉を覚えようとしない。命を賭けたように、電子機器に凝る。女子は知識欲があり、他人との意思疎通にも努める。意欲があるので、成績も上がる。学校が女子を優遇するのは、彼女らの努力の成果である。
女子にも思春期だけに神経がいら立つことはある。融通が利かず、移り気で、小生意気な点はあるが、口が閉じるヒマがないほど、意思疎通を図ろうとする。
7~10年生(日本の中1~高1に相当)の男子は、スポーツに熱心で、なかばプロのように練習に明け暮れている者もいる。女子は演劇グループをつくり、彫刻に励み、合唱団やオーケストラに入る。
スポーツは健康や性格づくりに必要である。しかし、創造力を養うには芸術の方が重要だ。女子の成績が良い別の背景である。バカげた暗記は昔の勉強のやり方で、今は創造的な授業が大事である。そこでも女子の成績が良い。
女子に比べ、学校や社会で男子が劣ってきたのは社会の動きとも関係がある。サービス部門の比重が1970年の48%から2009年には73%へと高まり、生産部門との逆転現象が生じている。テレビのコマーシャルを見ても、雄弁にお客に呼び掛けるのは、若い、元気に満ちた女性である。現代的なサービス社会で、仕事への要求は一段と女性化してきた。
学校もこの何年か、意思疎通の能力や問題解決に向けた創造力を大事にし始めた。ところが、男子は今も男性らしさを強く打ち出すことに縛られ、「ソフト・スキル」への適応を難しくしている。
米国でも適応力の強い女性の役員が多い企業は、男性ばかりの企業に比べ、倒産が少ない、との統計がある。サービス文化への社会の動きはもはや逆転できない。女性の参加を得て、男性らしさを生かすしかない。若い男性はより女性的にならなければ、成功はおぼつかない。男子は女子に学ぶべきである。