私は元来掃除が苦手である。私の女房は喘息・アトピー持ちのため、私以上に掃除・洗濯・皿洗いが苦手である。彼女の家事にはゴム手袋が必須アイテムである。つけないと、皮膚がボロボロになる。ほこりにまみれて掃除でもすれば、その晩は喘息の発作で不眠となる。これでは日々の生活にさしつかえるわけである。
その点、フィリピンは良い。メードさんがこれらをやってくれる。朝眼が覚めて、廊下に出ると、床がピカピカに磨かれ、台所がすっきり、整頓され、ソファにアイロンの掛かった洗濯物がたたんであるのを見ると、今日も一日頑張ろうという気になる。一方、メードが辞めてしまうと、床はほこりをかぶり、台所は汚れた皿であふれ、朝、出掛けようとして、着る服がない。一日のスタートがうまく切れないのである。たぶん、私たち夫婦はきっとフィリピンにしか棲息できない。
一方、メードさんの手を借りてできないのが、パソコンのデータの整理整頓である。データのほとんどが、日本語なので、フィリピン人の社員に任せるわけにもいかない。パソコンには、文書だけではなく、デジタルカメラでとった電子画像も随分ある。実にやっかいである。
整理しないまま、結構長い間、放置していた。それでも、今回重い腰をあげて、整理しようと決意したのは、ある必要なデータが何処に行ったか見つからないのである。事務所にある2つのパソコン、自宅にあるパソコン、合計3つのパソコンのあちこちを探して、見つからない。これでは仕事にならないと、始めたのがこの作業である。カテゴリー分けをして、フォルダーをこしらえ、せっせと整頓を始めた。恥ずかしながら、3日掛かりの作業になってしまった。探していたデータもついに発見。消去したとばかり思っていた貴重な資料が出てくるという収穫もあった。必要なバックアップもとった。これでしばらくは安穏としていられよう。
ところが不安がないわけではない。なぜなら、新しいパソコンを購入したからである。おそらく、次の作業には丸4日を要しよう。それを考えると、今から頭が痛い。