昨年は年末に、私の20年来の友人であり、ボランティアでは師匠ともいうべき存在であった三木睦彦先生が92才で逝去され、文字通り慌しく過ぎていった1年であった。


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 今年は丑年。私はオバマ大統領と同年の年男である。

 年男なのだから、今年は「さらなる躍進を」と言いたいところだが、この世界的経済危機では、例年のような宣言はできそうにない。とにかく歯を食いしばってこの嵐をやり過ごすのみ、といいたくなるのが本音ではなかろうか。

 当社も不動産仲介業で、経済事情の悪化を肌で感じるだけに、年末から09年は視界不良、一寸先は闇、何が起こるか皆目予測不能などと皆に言っていた。

 しかし、それは己の心の弱さゆえである。

 熟慮の結果、根拠は乏しいのだが、自分にとってはおそらく例年にないような大躍進の年になるという予感がする。

 皆が頭を垂れ、うつむいている時、そういうときがチャンスなのだと今は知っている。

 日本のバブル景気というのは80年代後半から90年代初頭をさすらしい。大学卒業後も結構ボランティア活動みたいなものにはまっていて、私が起業し本格的にビジネスに取り組み始めた96年頃というのはまさに日本経済がどん底のときだった。

 起業当時は、金もなければ、コネも、経験もなく、時代さえ、今のような経済的閉塞状況だった。不動産関連事業を起こすと言ったとき、日本の知人らは最悪のタイミングとうなった。

 それでも、何とかなった。時代は温かい救いの手こそ差し伸べてはくれなかったが、こうして生き延びることができた。

 事業主たるもの、経済環境が芳しくないくらいでうつむいてはいけない。創業当時の苦しさに比べれば、時代的逆風など、頬を撫でるそよ風のようなものだ。