フィリピン邦人社会

225 65人が旅立ち - MJSで卒業式

 本日付のマニラ新聞の記事見出しである。

 MJSとはタギッグ市フォートボニファッショー、グローバルシティにあるマニラ日本人学校のことである。

 日本人学校は小学部と中学部に分かれ、今回の卒業生は小学部53人と中学部12人であるという。この卒業生を含めて在籍児童生徒数は377人。前年4月の400名より少ない。

 日本人学校は日本大使館に所属し、マニラ日本人会が運営する。赴任する教諭の給与・住居手当は日本政府が負担し、それ以外全ての経費をマニラ日本人会が負担している。

 日本人学校が赤字にならないための損益分岐点にある児童生徒数は500人といわれ、数年前から既にその数を大幅に下回っている。

 さて日本人学校はいずれは日本に帰国する日本人駐在員の子供たちへの教育が大目的であり、フィリピン永住者で「帰国」しない子供の教育は主目的ではない。フィリピンに暮らす日比混血児が増えても、そのまま日本人学校の児童生徒数増加に繋がらないのはそのためである。

 さらに高等部がないため、中学部になると高校受験の準備のため、親は生徒を先に帰国させる傾向が強く、そのため中等部の生徒数は小学部に比べ少ないのは例年のことである。

 日系企業にとって、駐在員の家族を帯同で赴任させると非常なコスト高である。そのため近年では、独身者や妻帯者の単身赴任を奨励しているとのことである。

 日本人学校も赤字が続けば入学金、学費の値上げをせざるを得ず、それでも賄えない分を日本人会の会費値上げで補うことになる。
 
 しかし、学費や会費の値上げは、さらなる帯同家族数と日本人会会員数の減少という悪循環を招くことから自ずと限界があり、この世界大不況で日本人学校の経営もまた岐路に立たされている。
 

207 プエルトアスールの海岸を裸足で歩く

 今日は物件のご案内で、プエルトアスールへ行った。プエルトアスールはカビテ州のテルナテ地区にあるビーチリゾートで海岸越えのチャレンジングなゴルフコースは有名である。パラニャーケから約2時間の道のりだった。

 物件の庭を抜けると1、2分で海岸に降りることができる。砂浜は湘南海岸のようなグレーサンドであるが粗い砂が裸足に心地よい。

 その海岸へは陸路としては開発された高級リゾート、プエルトアスールの一本道しかなく、そのため海岸を利用できるのはわずかな数の住人や使用人だけなのでほとんどプライベートビーチといってよい。

 夜は小川の付近を蛍が飛び交い、小エビが毎日のように獲れるという南国の海岸リゾートで余生を過ごす。そんな贅沢な生活ができる人は幸せだ。

206 いかさま賭博被害者に同情する?

 欲にかられて賭博に手を出し、足りないお金を日本に取りに戻ってまで賭博を続け、騙されると、日本に舞い戻って自分の身を安全に置いた上で、司法や警察に救済を求め、告発の目的は「復讐」だと言い放つ輩。

 
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 なぜ、日本にはこのような恥知らずな人間が増えてしまったのだろう。私はこのような人間を救済すべき被害者だとは到底思えない、それどころかうまく彼からお金を巻き上げた演技派フィリピン人グループに拍手を送りたいほどだ。

 さて、このような事態に陥ってなお自らの軽率を反省しない。自分の人生を自分だけのものと信じ、社会的責任などひとかけらも感じたことがない人間。

 このような日本人に鉄槌を振り下ろすフィリピンはとても教育効果の高い国である。

 マニラ新聞の紙面ではどうも「被害者にならないように」という論調になっているのが、私にしてみればこの記事を一面トップに掲載する目的は決して「被害防止」などではなく、「社会正義を誤解し、自己中心的で、倫理感の希薄な若者」を量産する日本社会に対する風刺と警鐘でなくてはならないと思う。

197 奇人変人オンパレード

 外国で生活をしているとやたら奇人変人に出くわす。

 まあ、自分を含めて外国で暮らそうという日本人はとにかく相当変わっている。日本で居場所を探し出せなかったものもいるだろう。マニラには、日本に住めなくなって、つまり日本からはじき出されてきた者も相当いる。

 この間、関西弁でこんな電話が掛かってきた。

 「俺XXっていうんだけど、あんたが扱っているOOさんの物件のことなんやけど、あんたは彼に・・・・・ということ言ったかいな?・・・だから、あんたが、そう言ったかどうか聞いとるんや!」

 XXというのは初めて聞く名前で、当然、会ったこともない人物である。そんな人物から詰問口調で、問いただされる理由はひとつもない。そこで、

 「私はあなたのことを知らないし、そもそもOOさんからあなたにその物件のことを説明する許可も頂いていないのですが・・・」

 と言うと、突然、切れて、

 「おいこら、屋良!」

 と怒り出すではないか。その口調は2カ月ほど前に電話を掛けてきて、

 「おいこら、お前は屋良か。俺はお前のせいで不動産で大損こいたんじゃこら。お前死ぬで。殺し屋に金払っといたから身の回り整理しとけや。すぐにマニラ新聞の一面にでっかく載るで。」

 と匿名で脅迫してきた人間とまさに同一人物。

 そこで、その電話を切った後、その名前を頼りに、知人に問い合わせてみるとマニラ郊外で某日本食品店を営む人物とすぐに判明した。

 要するに不動産取引を巡って、モグリのブローカーが正規の不動産業者たる自分を脅かしているという構図である。

 あきれた話である。私はフィリピン国に住んで既に22年。フィリピンの政治家や国家警察、移民局などしかるべき部署にそれなりのコネもある。彼らは違法捜査や違法逮捕は序の口。それ以上のことを平気でやってのけて、しかもそれを消しゴムでも使うようにもみ消してしまうとんでもない連中である。
 フィリピンで商売を営むということはこのようなコネを作りながら、抑止力や防衛力を増強していくということである。そうしなければ、商売を維持拡大することはできない。もちろん、それは日本でも同じことと聞いている。

 さて、話を元に戻そう。要するにである。私のことをよく調べもせずに、勝てるはずもないいくさを仕掛けてくるその根性が不思議だ、と言いたいのである。

 フィリピンにはたくさんの邦人ならず者が居るが、彼らは概しておとなしい。なぜなら、フィリピン国家警察や軍人、元軍人などの方が、彼らよりはるかに乱暴者であるからだ。とにかく本格的な戦闘訓練を受けた者が合法的に銃を携行、闊歩し、狼藉を働くのだから性質が悪い。

 そんな社会で日本人が日本人を脅かすのなら、当然脅かすべき相手のバックに誰がついているのか。それは自分のもつカードより強いカードかどうかを確認しておくのが鉄則というもの。難しい話ではない。命は一つしかない。タマは食らわずとも、もともと日本にいられない連中が返り討ちにあって強制送還されたのでは元も子もないはず。勝てぬ戦は仕掛けるべきではないという理屈だ。
 
 私はフィリピンに20年以上住んで、15年以上もビジネスの中心地マカティで不動産業を営んできた正規の業者である。パラニャーケくんだりの田舎侍に脅かされるいわれはない。

 不思議だ。実にマカ不思議だとある日本人に相談すると、

 「あ、それ簡単。要するにその人たち、馬鹿なのよね。」

 「・・・・・。」

 私には返す言葉が見つからなかった。




185 日比ビジネスクラブの比ハンドブック出版

現在日比ビジネスクラブ(JBCP)では、ある壮大なプロジェクトに取り組んでいる。

それはフィリピンの国家・社会・経済をインデックス付けし、政治経済から文化まであらゆるジャンルを網羅した入門書=ハンドブックの出版事業である。

入門書といいながら、フィリピンに長年住んでいる我々にとっても有益な情報の宝庫にしようと考えている。そしてそのハンドブックを編集するのに会員有志が編集委員会をつくり、編集室を賃貸借して、専任のリサーチスタッフまでおいて今年5月に活動を開始した。

会員有志はJBCPの会費のほかにハンドブック負担金として毎月、1,000~6,000ペソ支払い、その編集に掛かるあらゆる経費を負担している。この負担金はハンドブックが出版された際に利益の分配を受けることで償われる仕組みである。またJBCPとしてはこのハンドブックを毎年出版し、2回目以降から編集に掛かる費用をすべて本販売収入で賄い、当会収益事業の柱としたい。

かくして、私たち会員は無償で毎週1回編集会議に集い、現在のところ、インデックスに対する小見出し付け作業に勤しんでいる。

このように小さな団体の会員有志がそれぞれ結構な額の金銭を負担し、さらに編集作業を無償奉仕して、ひとつのプロジェクトに取り組むというのはかなり稀なことではないかと思う。

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本会ではすでに「混淆へのパラダイム」という講演議事録(800ペソで販売)を出版しているが、それに比べても今回のプロジェクトは金銭的にも編集能力的にも互助団体が取り組むにははるかに高次のものであり、たくさんの方のご協力が必要である。従って、もし、興味があればぜひJBCP会員になっていただき、このハンドブックの編集・出版にご助力賜りたい。

連絡先(+632)893-3250 日比ビジネスクラブ(梅澤または屋良やら)
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